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ExperimentCPM_SvpH - *ガイガーカウンター鳴き合わせ校正の結果(巻島)

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*鳴き合わせ校正の結果(巻島)
*ガイガーカウンター鳴き合わせ校正の結果(巻島)

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CK1026 を使用した自作機で 2011/6/21 の #[[611GCM]] 校正実験に参加した結果です。

当日は光にも反応する状態のまま参加して「鉛のおうち」にも入れず、さらにその後検出パルス数が暴走してしまう(故障)状態になってしまいました。
散々な状態ですが、記録として公開します。

ご批判、ご指摘をたまわります。

-会のURL http://togetter.com/li/140769
-場所 アーツ千代田 3331 (東京都千代田区外神田6丁目11-14)
-日時 2011/6/11 18:30〜19:30時頃
-作成 巻島智幸

-線源 Cs137
テーブルに紙があり、密封線源を置いた位置から同心円が描かれ、15cm 0.60μSv/h、30cm 0.22 (〜0.20) μSv/h、60cm 0.10μSv/h となっている。線源とガイガーカウンターとの置き方により、数値には若干のずれがあると思われる。

-機種 自作 (回路図は別途)
-GM管 CK1026 レイセオンのデッドストック品、千石電商
-電圧 864 V (「校正」時の推定値。1GΩ+1MΩの分圧、オペアンプのバッファ、マルチメータ。バッファにオフセットがあるので、電圧の有効数字二桁足らずと推測。電圧にカウント数が依存する。推奨電圧 900 V)

-注 CK1026は光の遮蔽が不要とデータシートに書いてあるが、この管は感度がある。太陽光、蛍光灯、白熱電球に反応あり。白色半透明のポリ容器(PE、PP)に直接入れていたので、光に対して反応していた。							
-カウント Geiger Bot iPhone で音を計数、画面のハードコピーから秒数とカウント数を読み取り。積分モード							

,,線量率,カウント数,秒数,実測値(光入射あり),カウント毎分
,位置,μSv/h,counts,s,cps,cpm
,15cm (2回目),0.6,245,120,2,123
,30cm (2回目),0.22,145,121,1.2,72
,60cm (2回目),0.1,121,120,1,61
,15cm (3回目),0.6,382,180,2.1,127
,30cm (3回目),0.2,224,181,1.2,74
,60cm (3回目),0.1,208,180,1.2,69
,室内バックグラウンド,0.06,161,180,0.9,54
,鉛のおうち,≒0,-,-,-,-
,暗所、和泉橋近く,0.06,34,66,0.5,31

-注) 1回目 破棄(設定ミス)
-注) 暗所、和泉橋近く 「千代田区神田佐久間町1−11」の千代田区和泉橋区民館の裏、書泉ブックタワーの裏の辺りの神田川縁で、街灯がなく暗かった。線量率は3331内と同じと仮定。新宿の公表値では 0.0695 μGy/h

http://makisima.jp/engineering-lab/img/20110621_611GCM_fig/20110621a_fig_uSvpH_cpm.jpg
(Excelで描画)

-回帰直線
横軸 x に μSv/h 、縦軸 y に cpm をとると(値は有効数字を無視してExcelの表示そのまま)
--y [cpm] = 125.68 [ cpm / (μSv/h) ]	x [μSv/h] + 49.103 [cpm]
--x [μSv/h] = 0.007956715 [ (μSv/h) / cpm ] y [cpm] − 0.3906986 [μSv/h]

傾きが Geiger Bot や GAMoV などの iPhone アプリ、またはマイコンの計算に設定する感度、変換係数に相当する。

傾き(感度・変換係数)を別の単位で表現すると
- 125.68 [cpm/(μSv/h)] ≒ 126 [cpm/(μSv/h)] =  2.1 [cps/(μSv/h)] = 21 [cps/(mR/h)]

実験の時は光が入射して(直線の切片の)値が大きくなったが、ここでは自己ノイズの一種として見なすことにする。
ガンマ線も可視光も赤外線も、同じ電磁波、光子ということで、バックグラウンドが大きくなっただけで、感度(直線の傾き)は同じであると仮定しておく(実際にどうかは不明。2011/6/21現在、異常動作しているので追試不能)。
ガイガー・ミューラー管を遮光して、そのときの cpm と、その場所に近いモニタリングポストや地方自治体発表の環境放射線の値を使ってゼロ点(本来の切片)を推測する。

後日、自宅で 2011/6/19 にGM管をラシャ紙で遮光した状態で測ったところ、
22 cpm だった。
この日、自宅近くの学校の測定値が市役所から発表されていて、それを参考に適当に値を取ると、
0.075 (0.07〜0.08) μSv/h だった。
これらの値より、
-切片の推測値 = 22 - 126 × 0.075 = 12.55 ≒ 13

以上より、与えられた μSv/h から得られる cpm の直線では
-感度(変換係数)126 [ cpm / (μSv/h) ]
-自己ノイズ 13 [cpm]
くらいの値が校正曲線(直線)になるのではないかと推測される。

使用時は cpm から μSv/h を求めたいので、
x の関数 y ではなく、y の関数 x として直線の式を表現し、
-感度(逆数) 0.008 [ (μSv/h) / cpm ]
-自己ノイズ =  0.1 [μSv/h]

例えば、Geiger Bot への「変換係数」設定値が 21 [cps/(mR/h)](126 [cpm/(μSv/h)])、
CPM の読みが 50 cpm のとき、
表示される値は、切片(自己ノイズ)のある一次関数の直線ではなく、原点を通る比例の直線で計算されるので
-0.008 [(μSv/h)/cpm] × 50 [cpm] = 0.4 [μSv/h]
より、0.4 μSv/h と表示されるはずである。
そこから自己ノイズ分(切片)を引いて
- 0.4 - 0.1 = 0.3 (μSv/h)
が本来の値となるはずである。

ただし、自作ガイガーカウンターはその後 2011/6/20 に、数時間の連続通電でカウント値が暴走する(暗闇で 20 cpm のはずが 900 cpm にもなる)現象が発生しているので、上述の値は信頼できないものとなっている。
残念。

**(参考)単位換算
-Sv = Gy とみなす
-REM = R とみなす。R: roentgen
- 1 Sv = 100 REM
-- 1 Sv = 100000 mREM
-- 1000000 μSv = 100000 mREM
-- 1 μSv = 0.1	mREM
-- 10 μSv = 1 mREM

**写真

http://makisima.jp/engineering-lab/img/20110621_611GCM_fig/IMG_2099_r25.jpg (&link(拡大,http://makisima.jp/engineering-lab/img/20110621_611GCM_fig/IMG_2099.jpg))
鳴き合わせ校正会の様子。中心に線源、同心円に μSv/h が示されている。ポリ袋に入った箱が自作ガイガーカウンター。

http://makisima.jp/engineering-lab/img/20110621_611GCM_fig/IMG_7785_r12.jpg
自作ガイガーカウンターを開けたところ。

http://makisima.jp/engineering-lab/img/20110621_611GCM_fig/IMG_7792_r12.jpg
電源電圧を測っている様子。表示値×1000 が電圧の推測値。

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(2011/6/21)